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音は感情を動かす!「サウンドロゴ」作成のヒント その2

コラム
2021.10.05
前回の記事では、「サウンドロゴ」がブランディングに与える影響や、音と感情の関係について解説しました。

 

今回は、人が不快に感じる音や、「サウンドロゴ」がトラウマになってしまったケースについて解説します。

ぜひ、「サウンドロゴ」を作る際の参考にしてみてください。

 

 

 

人が不快に感じる音とは?

音を不快に感じているイメージ

 

「サウンドロゴ」を作るなら、ターゲットやユーザーが良い印象やイメージが持てるようなものを作りたいですよね。

その為にも、人がどのような音を不快と感じるのかを知っておく必要があります。

 

ここでは、不快に感じる音の特徴を2つ挙げて解説します。

 

 

 

不快と感じる音と周波数の関係

黒板のイメージ

 

黒板を引っ掻く音や発泡スチロールがこすれる音、油性マジックが紙にこすれる音…これらの音を不快に感じる人は多いかと思います。

これらの音は、思い出すだけでも背筋がゾワゾワしたり、鳥肌がたってしまいますよね。

 

なぜこれらの音が不快に感じるのか…一説によると「人間の原始的反射が関係している」と言われています。

 

“キーッ”というあの音は「猿が警戒する時に発する声」や、(文明が起こる前の時代に)人間を襲っていた「捕食者の声」に似ているのだそう。

つまり、人間が“キーッ”という音に対して本能的に“危険”を感じるので、多くの人にとって不快を感じる音なのだそうです。

 

また、この“キーッ”という音にはもう一つ不快に感じる要素があります。

それが「周波数」です。

 

一般的に、「可聴領域」(人の耳が聞き取れる周波数)は、20Hz〜20,000Hz(単位:ヘルツ)と言われています。

そして「可聴領域」のうち2,000Hz~4,000Hzの範囲が、人の耳の構造上“耳の中で音が増幅されやすい周波数”である事がわかっています。

 

音を聴いているイメージ

 

さて、“キーッ”の音の周波数はと言うと…実は2,000Hz~4,000Hzなのです。

 

つまり、そもそも人が不快に感じる“キーッ”の音が、周波数の関係で耳の中で増幅される事によって、一層不快に感じていたという事なんですね。

 

 

 

不協和音

不協和音のイメージ

 

「不協和音」とは、まとまりが無く、不安定で耳障りな和音(3つ以上の音が同時に響く事)です。

「不協和音」という言葉は人間関係を表現する際に使われる事もあるので、どのような音の事なのか漠然としたイメージを持っている方は多いかと思います。

 

「不協和音」の反対は「協和音」と言って、調和が取れていて心地よく聞こえる和音です。簡単に言うと、合唱の“ハモリ”の事です。

 

さて、「不協和音」は“不安定で耳障りな和音”と先述しましたが、必ずしも“悪い音・使ってはいけない音”という訳ではありません。

 

実は「不協和音」も、普通に曲の一部で使われています。

 

「協和音」を使って曲を作ると確かに良い響きになるのですが、『調和が取れすぎてつまらない』や『物足りない』と感じてしまう事があります。

そこで、あえて「不協和音」を入れて曲のバランスを崩し、調和・不調和のメリハリを付ける事で、表情豊かな曲にする事が出来るのです。

 

ただし、「不協和音」は“不安定で耳障りな和音”には変わりありません。

使いすぎると“恐怖”を感じさせる曲になってしまうので、「不協和音」は使い方に注意が必要です。

 

ちなみに、前回の記事で“怖い音楽”としてご紹介したテレビドラマ「世にも奇妙な物語」のオープニングテーマ「ガラモン・ソング」で「不協和音」が使われています。

 

 

 

人々のトラウマになってしまった「サウンドロゴ」の実例

音がトラウマになっているイメージ

 

「サウンドロゴ」の中には、作られた意図に反して、人々の“トラウマ”になってしまったものも存在します。

一体どのような「サウンドロゴ」が、どのような理由で人々のトラウマになってしまったのか、実例をご紹介いたします。

 

 

 

緊急地震速報の「サウンドロゴ」

緊急地震速報のイメージ

画像引用元:緊急地震速報の解説 - NHK そなえる防災

 

「緊急地震速報」のチャイム音はNHKが独自に制作(作曲:伊福部達(いふくべとおる)氏)したもので、2007年10月1日以降、最大震度5弱以上の“強い揺れ”が予測された時のみ、テレビやラジオで流れるようになっています。

 

チャイム音は、家電などのアラーム音やゲームの効果音などと類似しないように作られているので、「聞き違い」が無いようになっているそうです。

また、聴覚に障害のある人や高齢者でも聞こえやすい音で作られているので、注意喚起としては非常に優れたチャイム音となっています。

 

そのチャイム音の認知度が一気の上がったのが、2011年3月11日に発生した「東日本大震災」。

この大地震の際にテレビから流れたチャイム音を耳にした事で、「チャイム音=地震」が記憶の中に深く刻み込まれた方は多かったのではないでしょうか?

 

大震災をきっかけに多くの人々に認知されたチャイム音でしたが、それと同時に、『トラウマになった』『怖い』と感じる人が多く発生してしまいました。

 

チャイム音に使われているのは、「不協和音」と「急激に変わる音」。

これはどちらも“恐怖”を感じるさせる音なのですが、チャイム音はそもそも緊急性を知らせる為のものなので、ある程度は人々が『怖い』と感じるように作られています。

ですので、多くの人がチャイム音を『怖い』と感じてしまうのは当然と言えば当然です。

しかし、『怖い』理由はそれだけではありませんでした。

 

「東日本大震災」という未曾有の大災害の悲劇と、チャイム音が人々の心に強く結びついてしまった結果、「チャイム音=怖い」となってしまったのです。

 

 

 

「公益社団法人ACジャパン」の「サウンドロゴ」

ACジャパンのロゴ

画像引用元:公益社団法人ACジャパン

 

「東日本大震災」に関連して、「公益社団法人ACジャパン(旧 公共広告機構)」のテレビCMで流れる「サウンドロゴ」も、『トラウマになった』『怖い』と感じる人が多く発生してしまいました。

 

震災直後、多くの企業がCM放映を自粛。その差し替えとして、「ACジャパン」のCMが連日朝から晩まで流れるようになりました。

そして、大量に「ACジャパン」のCMが流れた事によって視聴者から苦情が寄せられ、CMの最後に流れる“エ〜シ〜”の「サウンドロゴ」が削除される事態となってしまったのです。

 

記事【音もロゴになる!「サウンドロゴ」ってどんなロゴ?】でもご紹介しましたが、「サウンドロゴ」はそもそも記憶に残りやすい特徴を持っていて、制作する側も“印象に残るように”と考えて作っている為、1度聴いただけでも耳に残るものがほとんどです。

その「サウンドロゴ」を、連日大量に聴いていれば、「もう聴きたくない!」と感じる人が出てくるのも無理もありません。

 

本来であればそれほど“恐怖”を感じる要素の無い「サウンドロゴ」でも、あまりにも繰り返し耳に入る事で不快な気持ちになり、やがてトラウマになってしまう事もあるという例です

 

 

「サウンドロゴ」は“どのような音で作るか”という事だけでなく、それが使われる状況や頻度などによっても、ユーザーやターゲットのイメージや印象・心を(良くも悪くも)動かしてしまいます。

 

「サウンドロゴ」は扱いの難しいブランディングツールではありますが、宣伝効果は絶大なので、ぜひ「ロゴマーク(図案)」と併せて、ブランディングに活用してみてください。

 

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