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注意・警告ロゴにも使える!危険を知らせるデザインのセオリー

コラム
2021.02.02
前回の記事では、「緊急事態宣言」がグッズ化されている事、それには人気ロボットアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」が関わっていた事について、ご紹介しました。

 

ところで、「緊急事態宣言」のように注意を促したり、警告するような場合に使われるデザインには、セオリーがあるのはご存知でしょうか?

 

今回は、注意や警告のデザインのセオリーについてご紹介します。

 

 

「危険」を知らせる色がある

踏切

危険を感じる「警告色」

工事現場や踏切など、“立ち入ると危険”といった場所には、「黄」と「黒」でデザインされた看板や柵が立てられていますよね。

また、禁煙や駐車禁止など、禁止事項がある場所では、「赤」と「白」でデザインされた看板が見られます。

 

これらのような注意や警告を知らせる看板などは、使われている色を見るだけでも、直感的に“注意・警告を知らせている”と判断できますよね。

 

「黄」や「赤」といった目立ちやすい色は「警告色」と言って、主に毒を持ったの生物が捕食者に対して「自分には毒があるから、食べると危険だぞ」と、警告する役割を持つ色になります。

 

「警告色」を持つ代表的な生物に、「ナナホシテントウ」がいます。

毒なんて持っていそうにないイメージがあるかもしれませんが、「ナナホシテントウ」は攻撃を受けると、苦くて臭い黄色い体液=毒を出す虫なのです。

カラフルで可愛らしくも見える「赤」と「黒」の柄は、実は「警告色」だったのです。

ナナホシテントウ

 

 

注意・警告のデザインに「警告色」を応用

「警告色」は、人間においても同じように、注意・警告を知らせる色になっています。

例えば「赤」の場合、血や火を連想する色なので“危険”と感じ、「黄」の場合は暗い所でもよく見えるので“注意”と感じます。

 

このような「警告色」は、私たちの身の回りのあらゆる場所で応用されていて、注意や警告を表示する際に使う色はJIS(日本産業規格=Japanese Industrial Standards)によって規定されています。

 

JISが規定している注意や警告などの色は「安全色」と言って、人々の安全の確保や利便性をよくするための標識(安全標識)に使われます。

「安全色」は国際基準に対応しているので、日本人以外の人が見ても注意や警告の意図が伝わるようになっています。また、多様な色覚を持つ人々が視認・識別しやすいように配慮した色(カラーユニバーサルデザイン)が採り入れられています。

 

JIS安全色表

画像引用元:JIS安全色(JIS Z 9103)改正内容の紹介

 

では、どのような色がどのような意味を持つのか、併せてご紹介しておきましょう。

 

【JIS安全色】

…防火・禁止・停止・高度の危険 黄赤…危険、航海、航空の保安施設 …注意、警告 …安全、避難、衛生、救護、保護、進行 …業務的行動、指示 赤紫…放射能

これら6色を引き立たせる色(対比色)として、「白」「黒」が規定されています。

 

 

 

 

文字での「危険」の知らせ方

危険を知らせる文字のイメージ

「明朝体」よりも「ゴシック体」を使うワケ

注意や警告の看板などで使われている「フォント」について、注目した事はあるでしょうか?

 

文字には様々な種類がありますが、注意や警告の看板などで一般的に多く使われているのは「ゴシック体」という、線幅がほぼ均一でカッチリした印象のフォントです。

なぜ、このフォントが使われるのかと言うと、“視認性が高い”からです。

明朝体とゴシック体

 

日本語の代表的なフォントに、「ゴシック体」と並んで「明朝体」があります。

「明朝体」も、様々なところでよく使われるフォントではありますが、横線が細くなっているので、遠目で見た場合「ゴシック体」に比べると文字全体が少し判別しにくくなります。

 

注意や警告の看板に書かれている文字は、遠くからでもしっかり読める方が好ましいですよね。

その為、高速道路の標識は遠くからでも瞬時に文字が判別できるよう、「ゴシック体」が用いられています。

明朝体とゴシック体の視認性比較

 

 

 

文字選びで印象がガラリと変わる!?

視認性から言えば「ゴシック体」を使うのが一番良いのですが、遠くから見る看板ではない場合、どんなフォントを使っても良いのでしょうか?

 

一般的な印象として、丸みのあるものや装飾性の高いフォントは、注意や警告を知らせるフォントには向いていません。

 

丸みのあるフォントは、“可愛い”や“カジュアル”といったイメージを与えるので、注意や警告内容に真剣さが感じられなくなってしまいます。

また、装飾性の高いフォントは文字のデザインに意識が行ってしまって、肝心の注意・警告の内容を見落とす可能性があります。

 

では、遠目で見る看板で使うには向いていなかった「明朝体」はどうでしょうか?

「明朝体」は丸みのあるフォント・装飾性の高いフォントに比べると使えない事は無いのですが、“綺麗め”や“女性的”なイメージを与えるフォントなので、「ゴシック体」よりも“柔らかい注意・警告”の印象になってしまいます。

ですので、“強く注意や警告をしたい”という場合には、“太めの明朝体”を使うのが良いでしょう。

 

フォントによる印象の違いイメージ

 

 

昔は「丸ゴシック体」の看板が多かった?

丸ゴシックの看板

“注意・警告の看板にはゴシック体が良い”と述べましたが、昔の看板では、ゴシック体の中でも「丸ゴシック体」が多く使われていたのは、ご存知でしょうか?

 

昔は今と違い、筆を使って“手書き”で看板を作っていました。

手書きの場合、「角ゴシック体」を書くには“文字の角を一つ一つ角ばらせる手間”がかかってしまいます。しかし「丸ゴシック体」であれば、角を作る必要が無いので、「角ゴシック体」よりも手間をかけずに文字を書く事ができます。

 

角ゴシックと丸ゴシックの比較

 

「丸ゴシック体」は、その名の通り丸みがあって“可愛らしい”と感じるフォントなので、注意・警告の看板には向いていないと思われるかもしれませんが、今のように印刷などで看板が作れなかった時代では、文字の見た目の印象よりも作業効率を優先させてフォントを選んでいたのです。

 

 

 

注意や警告を知らせるデザインを作るのは、色やフォント選びを間違わなければ、そんなに難しい事ではありません。

ですが、色やフォントの選び方を知らなければ、意図せず注意や警告を知らせるデザインっぽくなってしまう事があります。

看板や標識だけでなく、ロゴを作る際も、どのような色やフォントがどのような印象を人々に与えるのかきちんと知っておくと、「こんなデザインになるはずじゃなかったのにな…」という事になりません。

 

色やフォントなどの選び方については、記事【ロゴデザインを引き立てる!色の持つ効果】【形と色でこんなに変わる!ロゴが与えるイメージの話】でもご紹介していますので、ぜひ併せてご覧ください。
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